アクセスいただき、ありがとうございます。裏千家・茶道歴10年超の「たまご」です。
当ブログでは、茶道(裏千家)のお点前の解説をしており、このページでは、教本がなく不安になりがちな「四ヶ伝」について、以下に自分なりのまとめを作っております。
お稽古の予習・復習のお役に立てば、幸いです。
ご興味のあるところから覗いていただきつつ、是非すべてのページを読破いただけますと幸いです!
<プロフィール>
- ごくごく一般的な会社員
- 裏千家茶道歴10年超
- 好きな蓋置は「一閑人」
- コロナ禍にブログを開始
裏千家 盆点(風炉):はじめに準備しておくもの
盆点の流れは、唐物と似ています。
・・・ということを、はじめに押さえておくことが一番重要です。
唐物と同じように「3段階」に分けて整理します。
構成 | 盆点 | 唐物 |
---|---|---|
初めから室内 | 曲水指・唐物茶入 on お盆 | 曲水指・唐物茶入 |
前半戦 | 楽茶碗 with 象牙の茶杓 | 楽茶碗 with 元節の茶杓 |
後半戦 | 唐金建水 with 柄杓 | 唐金建水 with 柄杓 |
※ 唐物を清めて、膝退→退室するところまでが、前半戦。
※ 建水を持って入るところからが、後半戦。
唐物との比較でいえば、「お盆の有無」と「茶杓の種類」が相違点!
全体的なお点前の流れは唐物に似ていますが、象牙の茶杓を使うところが「台天目」っぽいですね。ここが混乱のもとだと思うので、しっかり覚えましょう!
裏千家 盆点(風炉):間違えやすいお点前のポイント
盆点のお点前に入る前に、「間違えやすいポイント」を前もって頭の中に入れておくと、本番での間違いが圧倒的に減ります!
これは盆点に限った話ではなく、すべてのお点前に通じるコツです。
「私の場合は」という前提になりますが「間違えやすいポイント」を以下のように整理しました。
いろいろなお点前を習うようになると、記憶がごちゃ混ぜになるものです。間違えやすい箇所を、明確にしましょう!
- 使う茶杓は、象牙。
- 茶碗を運ぶ際、襖を閉める。
- 茶碗を勝手付きに仮置きしたら、何も持たずに外隅を向く。(そのあと茶入を膝前に持ってくる)
- お盆を清めるときは、浮かせる。
- 仕覆を脱がせた茶入は、そのままお盆の上へ。
- お盆は真、唐物は行で清める。
- 茶入の蓋は、裏返さない。
- 拝見に出すとき、茶杓の櫂先に仕覆をかけない。
裏千家 盆点(風炉):お点前の流れ
お時間のある方は、【唐物のページ】も同時に開き、見比べながら読み進めると理解が深まると思います。
水指とお盆の距離は1cmくらい。
水指スレスレに置く。
四ヶ伝なので3種。(問答では「数々のお菓子を・・・」と言う)
・襖の開け閉めは、手をつく。
・襖は「下方」を触って開ける。
・茶碗を運んだら、一旦、襖を閉める。(まずはお盆と茶入を清める)
・茶碗を勝手付きへ。 (左から5目)
・ 何も持たずに、外隅に向かって 移動。
・体を斜めにしながら、 両手で茶入を 自分の正面に持ってくる。
・唐物のときと同じ手順で、途中(※)まで仕覆を解く。
(※)紐を、下→上と緩めるところまで。
・火窓前に、手なりに、途中まで脱がせた茶入を仮置き。
・帛紗を真にさばき、お盆を清める。三→縦→横。帛紗を腰に戻す。
・お盆を持つときは、右→左の順。
・お盆を清めるときは、斜めに浮かせる。
・上から3枚目を取って、帛紗腰。
\ 帛紗のシワが強めですが /
・途中まで脱がせていた茶入を両手で取り(畳に置かない!手の上で!)仕覆を脱がせて、お盆の上に両手で乗せる。
・仕覆は水に打ち返し、水指の左へに置く。
・左手を上にして、揉み手を3回。
・両手で茶入を膝前に持ってくる。
・帛紗を行に捌きで唐物を清める。下上の二引き、時計回りの胴拭き。
・唐物のお尻に帛紗の座布団を敷きながら、唐物の肩に親指をかけ、お盆の上に置く。
・帛紗を唐物から引く(話す)ときは、左ではなく下に引く。
・下から3枚目を取って、帛紗腰。
\ 「行」って、難しいですよね /
・左右で茶碗を取り、お茶を点てる位置に置く。膝退。 左右左。
・建水を持って入り、膝行。右左右。
・ここからは、普段通りに進める。(中略)
- 茶杓は、お盆の上(茶入の左)に置く。
- 茶筅は、建水の肩に置く。
- 茶碗はすでにお茶を点てる位置に置いているので、手前に引くことはせず、茶巾を出すだけ。
- 茶筅通しのお湯を茶碗に注いだら、帛紗腰。
茶筅通しをして、茶巾で茶碗を拭くところまで進めて下さい
・3回揉み手をして、両手で茶入を取る。
・茶碗の近くで蓋を開け、蓋をお盆の上に乗せて(裏返さない)、その手で象牙の茶杓を取る。
・回し出しはせずに、必要な分だけ、掬い出し。
・象牙の茶杓は、茶碗の内側でコン!
・お茶のついた茶杓を、拭く。清め拭きは畳み直さずに、そのまま再度拭く。
・茶杓を元の位置(お盆の上)に戻し、帛紗をポンポン!で、腰につける。
・水指の蓋を開け、水一杓、お茶を点てる。
・正客のひとすすりで、「お服加減は?」。
・問答。
・末客の吸い切りで、水一杓、腰帛紗。
・普段通りに進める。(中略)
- 茶杓はすでに清めてあるので、うっかり清めようとしないこと!
- 茶巾→茶筅→茶杓(置くだけでOK)→右左で勝手付き→その手で建水を下げる
・「お茶入れ、お盆、お茶杓、お仕覆の拝見を」と、声がかかる。
・3回揉み手をして、茶入を持って客付に回る。
・帛紗を行にさばき、茶入を清める。回し出しをしていないので、胴拭きのみ。
・茶入のお尻に帛紗の座布団を敷き、反時計に回して、鐶付に出す。
・帛紗を握ったまま、正面に戻り、そこで再度、帛紗を行に捌く。
・お盆を川の字+横に清める。客付に回って、右上・左下と回して(時計回り)出す。
・正面に戻って、帛紗腰。
・茶杓、仕覆は手をつきながら出す。(茶杓の櫂先に仕覆をかけない)
・ すべての道具を客付き斜めから出す。
・ 茶入だけ鐶付。それ以外は同じ高さ。
・いつも通りに、道具を持って帰る。
・最後は、水指を持ち帰りつつ、座って襖を閉める。
・茶入の問答では、伝来物を答える。(例:酒井家、松平家伝来の~)
※ 岩城文琳/白極緞子、吹上文琳/白極緞子 or しじら間道
・お盆の問答では、記三、余三、盛阿彌。
・揉み手をして茶入をお盆に乗せる→それを縁内に取り込む→茶杓をお盆の左側に乗せる→櫂先に仕覆を乗せる→左手でお盆の底をしっかり持ち、右手は茶入に添えて、退室。
裏千家 盆点(風炉):まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
このページでは、「盆点」(風炉)のお点前について、私なりのポイントを纏めました。
私は盆点が好きです。なぜなら、象牙の茶杓の扱いで台天目の復習ができ、茶入の扱いで唐物の復習ができるので、一石二鳥だからです!帛紗のさばき方も、真・行2種類入っているところがいいですね。もし、四ヶ伝の練習が1種類しかできないとすれば、私は盆点を選ぶと思います。その代わり、予習は唐物と台天目の2つ分、必要になりますね!
これからも一緒に、四ヶ伝を頑張っていきましょう!
盆点(風炉)のお勉強、おつかれさまでした。